もしもあなたが、数年後に売ろうと思っている家や土地がある場合は要注意です。
その土地が東京23区やその他の首都・近畿・中部の各政令指定都市にある場合、うかうかしていると激しい値崩れを起こしてしまい、まともな値段では売れなくなる恐れがあります。
売り家が激しく値崩れするという予想には、2022年に終了する生産緑地制度が関係をするという見方があるからです。
生産緑地制度が対象の県にある中古の売り家は値崩れしても不思議じゃない
まず最初に、生産緑地制度というもについて簡単にご説明してみたいと思います。これは、1992年に首都圏や近畿圏、それに中部圏内の特定の場所で農地を持ち、農業を営まれている方に限って、その農地にかかる税金を安くするという特例のようなものです。
本来、これらのエリアでは農地に対して宅地並の税金(固定資産税や相続税)をかけるようにする別の制度があり、その目的は農地をなるべく宅地として活用してもらえるようにするためのものでした。でも、当然ながら農家さんはそれでは税金の支払いが大変なことになるので「以前から持ってた個人の財産にそんな制度は納得いかない」と反対されました。
その結果、2022年までの間は、該当する農地に対しては宅地並の固定資産税や相続税がかからないようにするという「清算緑地制度」というものができたんです。
つまり、その特例措置が2022年についに廃止となってしまうんです。
そのため、宅地並みの税金を払うのがバカバカしくなった農地のオーナーさんや、払えなくなる人達によって一気に売り土地が出回るようになるということは安易に予想できますよね。
もともと人気があるようなエリアに存在している土地ですからどこを見てもきっと次々と新築だらけになりますよね。
なんで売り土地の造花が中古の家の売値の値崩れに繋がる?
一見すると、売り土地が増えたとしてもそこには新築の家しか建たないので、中古住宅の販売には直接の関係はないように思えます。
ところが、新築が増え過ぎることで全ての需給バランスが崩れてしまうことになるんです。
新築住宅が過剰に増えるために値崩れ
新築の売り家が過剰に増えてしまうと、まず最初に「新築」が大バーゲン価格で売りさばかれることになります。この影響を最初に受けるのは安く売ることなんて考えていなかった「生産緑地制度の終了直前」に建てられた新築になります。
本来なら3,500万円で売る予定だったところに、生産緑地制度の廃止と共に雨後の竹の子みたいに増えたライバルの売り物件が登場することで、値引をしてでも売らないと売れ残ってしまうリスクができてきます。
そんなふうに、新築住宅でさえも激しい値引をして売るようになると、その影響を次に受けるのは中古住宅市場となるわけです。
仮に、少し前までなら相場が3,000万円の中古住宅だったとしても、そのエリア内で新築がどんどんと値下げをしているなら同じ3,000万円という売値が以前よりも割高に感じられるようになります。
なので、相場3,000万円の中古住宅を少しでもスムーズに売るには2,500万円などに値下げをする必要が出てきます。(実際にはもっと厳しいかもしれません。)
幸い、今はまだ2022年の生産緑地制度の終了について報じているメディアなどはごく少数のために、土地や家の投げ売りは始まっていません。でも、そのうちテレビなどで「生産緑地制度」を紹介されるようになると、そこから一気に中古住宅の売値暴落につながっても何もおかしくはありません。
こうした理由から、そのうち家を売ろうとお考えなら、少しでも早く今のうちに売却をしてしまうことが無難だと言えます。
ライバルの中古の売り家が値下げをすればあなたも値下げが必要に
仮にあなたはすぐに値下げをして売りさばこうとしたとします。でも、ライバルの売り家たちも次々と値下げを行い売値を合わせてくるので、その後に待っているのは激しい値下げ合戦です。
この中古住宅の値下げ合戦の余波は、今後は売れ残ってる新築住宅市場にも影響が出るので、新築も中古もひたすら値下げが続くという悪循環に突入することもありえます。
家はどんなに値下げをしても一度買えばオシマイですから、早く売ってしまった人の勝ちとも言えます。つまり、椅子取りゲームのようなもので、最後まで残ったひとはまともに売る相手を失うことになります。
騙されないためにも自分の土地の査定額は把握しておくべき
今すぐ売るにしても、2022年までに売るにしても、ひとまずは自分の土地の正しい価値(相場)を知らないと大損させられる可能性大です。
ネットの一括査定サービスなら家や土地を見せることなく、ネット上での入力だけで簡単に相場額を把握できたり、最高値で売れる場合の金額や、それはどこの不動産屋がつけてくれた査定額か?も分かります。
※2022年の時点で、それまで農地を持っていた人は税金が上がるために苦しい思いをされることとなります。そのため取り決めでは、土地オーナーが希望すれば市町村が地価で買取るという話が盛り込まれていました。
でも、今の時代はどこの市町村もあらゆる負担が大きくのしかかっているために、地価で土地を買い取るなんてことは難しいと思います。
仮に、地価で買取りをしてくれる場合でも、あなたが土地の正しい価値を知っておかないと提示された地価が正しいかどうかも分かりませんし、その地価よりも高く買ってくれる業者が存在するかもしれません。(宅地分譲業者などが買取りするケースもあるので)