不動産物件を売却した後に確定申告をするべきか、もしくはしなくても良いのか?迷う人は多いと思います。
結論から言うと、売却額がプラスでもマイナスでも確定申告はするべきです。
そこで今回は不動産売却後に確定申告が必要な理由の紹介と、確定申告のポイントについて解説してみました!
不動産売却後の確定申告 不要な人は基本いない!
最初の紹介のとおり不動産物件を売却した時には利益が出ようと損失が出ようと確定申告をすべきなんです。
というのも、マイナスになった分について確定申告をすることで、損失分を他の利益分と相殺することができるからです。これは損益通算と呼ばれるものになります。
しかもこの損益通算は3年に渡り行うことができるのでマイナスが出た分を無駄にせずに済むんです。
不動産売却時の課税対象となる譲渡所得額の計算式
譲渡価格(A)-取得費(B)-譲渡費用(C)-特別控除額(D)=課税対象の譲渡所得額
・Aは土地建物の売値
・Bは実額・概算の両計算で高額な方を選択
実額=(もともとの購入額+その際の取得費)-減価償却費
概算=譲渡収入の5%額
・Cは売る際にかかった費用(不動産手数料や登記や印紙代等のこと)
上記の計算でマイナスとなれば課税されることはありませんが、マイナス分については確定申告することで他の所得から引いてもらえます。
だから利益が出なくても確定申告はするべきなんです。
また、計算後にプラスとなった場合には、条件を満たすケースなら3,000万円の控除対象となります
つまり、3,000万円以内のプラスの金額なら控除内に収まるので利益0円ということになります。もちろんこれも確定申告しないと対象になりません。
なお、数千万円や数億円の不動産売却をした人のなかには3,000万円の控除を使ってもプラスになる人もいます。
そこで、次では売却額が7,000万円例をご紹介します。
売却額が7,000万円だった場合の例
仮に、不動産売却時の価格が7,000万円で取得費が3,500万円、譲渡費用が350万円とします。
もちろん確定申告はするので特別控除の3,000万円も対象とします。
この場合、7000-3500-350-3000=150万円(課税対象の譲渡所得額)
となります。
もしも、売却額を150万円値下げして6,850万円とすれば
6850-3500-350-3000=0円(課税対象の譲渡所得額)
となります。
また、売却額が6000万円だとしたら
6000-3500-350-3000=▲850万円
となり、この▲850万円は他の給与所得などから引いてもらうことができるというわけです。
ちなみに、所得がマイナスであれば確定申告は不要だと思いますよね。しかし確定申告しないと何も処理をしてもらえません。
例えば毎年の本業で稼いでいる収入はが600万円ある人が不動産売却時の赤字が850万円出たとします。
この場合なら600万から850万分を引くことができひとまず0円にまで下げられます。
また、引き切れなかった残りの▲250万円については翌年以降に繰越できるのでまったくムダにせずにすみます。
なお、先程から紹介してます「3,000万円の控除」を利用する条件について以下で紹介してみました。
3000万円の特別控除とは
不動産売却に関する確定申告の手続きを行いますと、所定の条件を満たしていれば3,000万円控除されます。つまり、所得額を安くできるのです。ただし、全ての不動産物件が対象になる訳ではありません。
- 被災してから3年以内に物件を譲渡
- 転居してきた場合で3年以内に譲渡
※なお、年数カウントの仕方は譲渡年の12月31日時点を基準に数えます。
(控除対象の例)
例えば災害です。被災してから3年以内に物件を譲渡するなら3,000万円控除の対象になります。そうでなければ対象になりません。
また物件に転居してきた場合は3年以内に譲渡するなら控除対象になります。それと、現在居住中の物件を譲渡する時も控除対象になるのです。
上記のように複数の条件はあります。申告手続きを踏む前に果たして条件を満たしているかどうか確認する必要があります。
3,000万控除される為には確定申告を済ませる必要があります。
不動産売却時の確定申告に必要な書類
不動産売却時には確定申告をするメリットは上記の通りですが、自分からアクションを起こさないと役所や不動産屋が勝手に処理をしてくれるわけじゃありません。
そこで、不動産売却の確定申告に必要な書類についてまとめてみました。
・除票住民票 (じょひょう住民票)
これは売却した不動産にあった自分の住民票登録が抹消されたことを証明するものです。元の住所の管轄役所で所得できます。
・登記事項証明書
売却した不動産屋についての登記証明書です。
国税庁のHPで確認すると全4枚のものとなっており、以下は1枚目です。
不動産売却後の確定申告が分からない場合は
確定申告が分からない時はどこを頼れば良い?
管轄の税務署では無料で税務相談も受け付けてくれます。若干混雑する事も多いのでまず税務署に電話して相談予約を取ると良いでしょう。
それと税理士に相談や依頼をするという手もあります。依頼の場合には当然ながら料金を支払う事にはなりますが、売却額が数千万円や数億円など大きな金額の場合には、いい加減な確定申告をすると大損をすることもあります。
費用がかかっても税理士さんに相談や依頼をされるのが得策と言えます。
不動産屋売却の確定申告の時期は?いつどこでやれば良い?
確定申告の時期は2月の中旬から3月中旬までです。場所は管轄の税務署となります。ちなみに、2018年度の場合には2月18日から始まり3月15日が期限となっています。
なお、2月~3月は毎年必ず税務署が激しく混雑します。ほぼ毎年長蛇の列ができ特に3月になると相談すら難しい状況となりがちです。じっくり計算する為にもできれば2月中には申告を終える予定で動きたいものです。