実家を売却する際には自分が住んでいる家を売るよりもはるかに面倒なイメージがあると思います。
でも、意外かもしれませんが、自分が住んでる家を売るのも実家を売るのもやるべきことは結局はほぼ同じなんです。
ただし、気をつけないと大損する注意点もあるので実家売却の手順と合わせて売却成功のための対策と税金や親が認知症の場合の売り方などもご紹介します。
実家を売却する際の注意点
実家を売却する際に大きな注意点が1つあります。それは不動産屋選びです。
おそらく大半の方は実家と自分の住まいが離れていると思いますので、ついつい売家の近くにある不動産屋にだけ声をかけて売却依頼してしまいがちです。
ところが、家や土地を売るには不動産屋との相性が非常に重要で、その理由は不動産屋は売るのが得意な家や土地があり逆に苦手な家や土地があるからです。
間取りや立地と不動産屋が抱えているお客さんがミスマッチなら売ることは非常に難しくなり、1年以上経ってもまるで売れないこともよくある話です。
そうしたリスクを回避して高く早く売るのに欠かせないのがネットの一括査定になります。
これをまず最初に利用してから不動産屋を1社選べばまず間違いなく良い条件で実家を売ることができ、しかも安心して任せられる業者を選ぶこともできるんです。
一括査定の参考にもなります
実家を売却するための手順
実家を売却するための手順としては、先程ご紹介しましたネットの一括査定を利用して複数から査定をもらい、最高値の業者を選んで売却依頼することから始まります。
売却依頼さえしてしまえば、後は売り主さんはマメに売り物件に通い空気の入替えをしたり掃除をすることがスムーズに売れるカギとなります。
そうは言っても遠方の場合には頻繁に通えないと思いますので、その場合にはシルバー人材センターや便利屋さんに依頼して部屋の内部の簡単な掃除と空気の入替えをしてもらえば大丈夫ですよ。
実家の売却に片付けは欠かせない!その理由とは
実家を売却する人のなかには、いらない家具などをそのまま放置したままで売ろうとする人がいますが、それだとよほど運が良くないとスムーズには売れません。
その理由は、家具があるせいで前の住人の生活感や生活臭が室内に漂いがちですが、それを買い手で嫌がる人が多いからです。
また家具があるせいで部屋が実寸よりも小さく見えてしまうマイナスな効果があるため印象でも損をします。
後は、心配性な人からすれば不要な家具を置いていかれるんじゃないか?自分が処分することになるんじゃないか?と不安な種を残してしまうことにも繋がります。
いくら中古住宅とは言え、実家を買ってくれる人にとってはそこで新生活がスタートするわけですからそこに夢がないといけません。なのに仏壇があったり亡くなった親の遺品がそのまま残ってるような状態だとあまりにも夢がなさ過ぎます。
人は夢には大金を払えますが、夢のない現実しか見えてないものにはあまりお金を払いたがらない性質があります。
なので、できれば家財はすべて処分をしてスッキリさせた室内を見学してもらいたいものです。ほんとに売れ方に差が出てきますよ。
実家の売却時に更地にするか迷ったら
実家を売却する際に、あまりにも家が古いと「更地にした方が売れやすいです」なんて言ってくる不動産屋も多いと思います。
(一括査定を利用して選んだ不動産屋さんならそんなことはまず言わないと思いますが。)
もちろん、あまりにも家が古くて傾いていたり雨漏りしているような家なら更地にした方が早く売れやすいかもしれませんが、まずは古い家のままで売り出してみるべきです。
古民家を改修してカフェをやる人も今は多いですし、古い家の内装を素人が自分たちで修繕してオシャレにセルフリフォームする人も沢山います。
私の売却経験上、そんな人に売れる場合は値引き要求されることもなく、こちらがつけた売値ですんなりと売れることも多いですよ。
それに家の解体費用はとんでもなく高額です。家を解体する費用は木造2階建ての場合で安くても200万円ほどはかかり、鉄筋やコンクリート造りなら300万円や500万円かかる家だってあります。
解体にかかった費用は売値に上乗せするわけにはいきませんからなるだけお金は使わずに売ってみて、それでも反応が悪いなら多少の値引き、それで駄目ならそこから更地化を検討するくらいで十分ですよ。
税金について
実家を売却した時に所有していた期間が5年を超えているか、もしくは5年以下かによって税金は大きく違ってきます。
なお、年数を数える際には、売却した年の1月1日時点で5年超か5年以下かを判断されます。(長期譲渡所得・短期譲渡所得に分けれられ長期がお得です。)
5年超なら税率は安くなり20%で5年未満なら39%とほぼ2倍になります。慌てる必要がなければとりあえず売却話だけを先にまとめておいて売却は5年超になってから正式に売買契約をすればお得になります。
更に、通常は自分が住んでいた家を売れば3,000万円の特別控除が適用されるため大抵の一般住宅の売却では課税されずに済みます。
実家の場合はそういうケースに該当しませんが、以下のような要件を満たせば3,000万円の特別控除が適用してもらえるので安心してください。
- 昭和56年5月31日よりも前に建築された家
- 一軒家
- 貸家ではない
- 売値が1億円以下
- 耐震基準を満たせてない場合は更地で売ること
- 相続開始から3年目の年末までに売ること
こうした要件を満たしていれば売却益から3,000万円をマイナスしてもらえるので相続をするメリットが十分に出てきます。
実家売却時に名義人が認知症なら
実家の売却時にもしも名義人が認知症の場合にはいくら親族だからと言って勝手に売却することはできません。
なぜなら、認知症の本人に変わって売却をするには裁判所の許可が必要となるからです。
認められる人は別に家族である必要はなく、むしろ家族であっても審査が緩くなるわけじゃありません。
なお、裁判所に認められた人は成年後見人と呼ばれる立場になります。
成年後見人として認められるかどうかは「あなたが売却する必要が本当にあるか」で判断されます。
例えば、実家の名義人が父や母の場合にその本人が介護施設や入院の必要があるとして、その費用を捻出するための売却であるなら認められることも多いです。
ここで重要なのは、裁判所に対してあなたが申し立てをしないことには何も始まらないということです。
とにかくスグに申請をすることと、それと同時にネット査定を利用してどこが最高値で売ってくれるか?値段はいかほどになるか?を把握しておくことです。
いくらで売れるかが分かれば施設入所や入院で必要な金額に対して余裕ができるか、またはまだ不足をするかが判断できます。