訳あり物件と言われる物件はごく普通に近所の不動産屋さんに売却依頼をしてもまず売れません。
仮に売れたとしてもそれは不動産屋さんが売りやすくするためにつけたありえない激安の販売価格なケースがほとんどです。
でも、訳あり物件と言ってもあなたが思っているほど気にしない人も世の中には沢山いるんです。
もちろん同じ価格で訳ありじゃない普通の物件が買えるならそちらを皆さん買いますが、限られた予算しかないけど立地をどうしても譲れない理由があるなど購入希望者にもいろいろな事情があるんです。
今まで当サイトでは日当たりの悪い物件を売る方法や旗竿地の家を売る方法などいろいろな例を紹介してきましたが、訳あり物件こそが専門業者を選ぶことの効果が最も大きいコツと言えるかもしれません。
訳あり物件を売るために選ぶべき専門家とは
- 買取業者だから個人よりも資金力が桁違いで話が早い
- 訳あり物件に慣れてるから事故物件でも平気
- 無料でカンタンに査定ができる
- 事故物件でも現金化が早い
訳あり物件とはいったいどんな不動産のこと?
- 再建築不可物件
- 未接道
- 不整形地
- 旗竿地
- 狭小地
- 事故物件
- 違法物件
- 古アパート
- 相続や権利関係
これらが訳あり物件と呼ばれる不動産をケースごとに分けたものです。
厳密には他にもいろいろありますが代表的なものはこの9項目のいずれかに該当すると思います。
ここからは上記の訳あり物件の種類ごとに分かりやすく紹介してみたいと思います。
再建築不可物件
その名前の通り、同じ場所で土地だけを利用し再建築をすることが法令でNGとされている物件です。
近隣物件との距離が近すぎて消防法にひっかかるなどいろいろなNGな要素があります。早い話がいちど更地にしてしまったら宅地としての価値は無くなるという感じです。
でも、これには抜け道があって、実は建物の主要な骨組みだけを残してその他を新築同然にやり変えることは問題ないんです。
基礎と主要な骨組みを利用するので更地からの新築より安く収まるケースもあり、目に見える部分はまったくの新築同然になるので知ってる人には人気の手法です。
これを売り主が知らなかったり知識のない不動産屋さんが扱うと「更地にする前提」の話しかできないので売れるものも売れなくなります。
でも訳あり物件専門の買取業者なら高く売るコツを知っているので買取額も良い値段をつけてくれる傾向があります。
未接道
カンタンに言うと、家は一定幅以上ある道路に接していないといけないというルール(接道義務)がありますがこれを満たしていないものです。
「原則として幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上)の建築基準法上の道路に、2m以上接した敷地(土地)でなければならない」
昔の家は現代のこの接道義務をクリアできないケースも多く、建て替えなどの際にはセットバックと言って自分の土地の一部を道路に提供する必要があります。
土地の所有者からすれば土地面積が減るので魅力が激減するわけです。
不整形地
不整形地は正方形や長方形ではない変形の土地のことです。
通常、家を立てる時には正方形や長方形の方が設計をしやすいですし塀やフェンスや植栽で家の周囲を囲う場合でも見た目も整うので整形地の方が魅力があります。
不整形地は訳あり物件のなかでも最も難がない方だと思います。
旗竿地
地図で見た時に旗と竿の形に似ているからそう呼ばれます。
前面の道路から細長い道を通ってメインの敷地となるスタイルです。
とくに大きな問題はありませんが、やはり前面の道路に正方形や長方形の土地の1辺が接地している土地の方が車の出し入れがしやすかったり、防犯面でも優れているので人気があります。
旗竿地に入る道幅を自由に広げることができないのが将来的なリスクになるので訳あり物件に含まれるようです。
狭小地
狭小地の住宅はテレビでもたびたび紹介されていますが、驚くほど狭い宅地に細長い家が立ってるのがそれです。
これと対照的なのが広びろとした平屋住宅とも言えます。
狭小地で平屋でも建てることはできますが、やはり通常は三階建などが多く、しかも1階は駐車スペースで車1台しか置けないなど不便な点が多いのが特徴です。
ちなみに、家の塗装やリフォームで足場を組む際には、三階建になると足場代が高くなります。なので二階建の家の方が家のメンテナンス費用で見てもかなりお得なんです。そういうことを知ってる人はやはり狭小地は訳あり物件と捉えるようです。
事故物件
事故物件はもう説明不要ですよね。事故扱いになる亡くなられ方をした人がいる物件のことです。
ごく自然に亡くなられた場合でも孤独死の場合には事故物件に該当するケースもあるようです。
この事故物件は通常の不動産業者では最も売るのが難しく、下手をすれば10年以上も売れないこともあります。10年間も固定資産税などを払い続けたり家の管理をすることを考えたら仮に査定額が思っていたよりも安かったとしても早く買取してもらう方が精神的にも経済的にも助かる方が多いと思われます。
参考にどうぞ⇛ ゴミ屋敷の家を売る方法
違法物件
違法物件とは建築基準法に違反している物件のことです。
この場合、解体して更地にすれば問題ないですが違法物件をそのまま売る場合は購入希望者が出てきてもその人がローン審査に通らないことがほとんどのようです。
とくに個人の購入者希望者がその事故物件を担保にローンを組むことは難しいので現金一括払いできる人しかすんなり買えないのが実情です。
ただし更地にして土地だけで売れば売れやすくなりますが更地にする費用を引けば買取業者に売却するのと大差がないことも多いです。下手をすると買取の方が高いこともあります。
古アパート
古アパートというのは人によってどこからが古いかの判断が分かれるところですが、大まかには、近隣物件が水洗トイレになっているのにそのアパートが水洗トイレでなければ古アパートという扱いになります。
もちろん築年数が20年を超えている場合も古アパートにもなると思いますし昭和40年代に流行した四角い浴槽もそうです。
この場合、売却が難しい訳あり物件になるのはやはり水洗トイレ四角い浴槽になると思います。(私自信が中古アパート投資をしているので実情には詳しいと自負しています。)
トイレと風呂はリフォームが高額になるし、1部屋ごとに備わっているので中古アパートを購入してもそれらのリフォームをすると利回りが激しく落ちてしまうので人気がありません。
ただし自分でトイレや風呂場のリフォームができる人や安くできる業者とつながりがある人ならすんなり購入してもらえる可能性はあります。
相続や権利関係
相続で揉めている対象の不動産や建物の所有権が複数名義に分かれている場合にはすんなりと売却がしづらいので事故物件の1つとして扱われることもあります。
他の事故物件と違い、内容によっては購入する人には何もデメリットがありませんが、不動産屋さんからすれば依頼されても対処する手間が面倒だったり、いざ売るところまでいっても相続人などによって話が頓挫するリスクもあります。
ただし買取業者なら物件を共有している親族などにもバレないうちに買取をしてもらうことができるそうで、売ったこともバレないくらいだそうです。
訳あり物件と呼ばれる中古物件ばかり探している人がいる
世の中には訳あり物件をあえて探している人もいます。
安ければ何でもいい!という人もいれば、事故物件の事故の内容に自分で対処ができるような人です。
通常の不動産屋さんだと売却依頼をしてもこのようなお客さんと縁をつなげてもらうことはかなり難しいですが、訳あり物件を専門にしている業者だと「訳ありOKのお客さん」を沢山抱えているので物件紹介もあちこちにできるわけです。
身内に大工さんがいれば再建築不可の家も安くフルリフォームして新築同然にすることもできるし、賃貸物件用に購入する不動産投資家なら自分が住むわけじゃないから平気で購入するケースもあるので一般の人が想像するより高く売れる可能性があるんです。
結局、一般の不動産業者を利用すれば購入相手は個人になることが多いので購入をためらうことが多いですが、買取業者なら資金力があるしビジネスとして仕入れるので購入判断も早く支払いも早いのが強みだと言えます。
訳あり物件は賃貸するより売却するのがおすすめ
最後に売却と賃貸で迷われている方に売却をおすすめします。
その理由は、今の日本の不動産事情はご存知のように空き家が日増しに増えている状況であり、さらに一般の方が大家に挑戦して空き家を賃貸に出すケースも多くなっています。
つまり、今日よりも明日のほうが賃貸物件のライバルは増え日増しに競争が激化することを意味しています。
ただでさえ賃貸物件のライバルが増えているなかであなたの物件が訳あり物件だとしたらハンデがあるようなものであなたの物件が選ばれる確率は相当に低くなるわけです。
なので賃貸に出してコツコツと家賃を手にする計画よりも、購入希望者が見つかる可能性がある今のうちに少しでも高く早く売却した方があなたの人生にとってメリットしかないと思います。
そして売却するなら普通の不動産屋さんでは嫌がられることも多いのでそれなら最初から訳あり物件の専門業者に相談するのが正攻法だと言えます。
※どこの不動産屋さんも売却依頼をされても断ることは基本的にはありません、だから「訳あり物件なんて売れないよな」と思っていてもとりあえずは売却依頼を引き受けて「万が一に売れたらラッキー」「売れなきゃ理由をつけて売れるまで値下げすればいい」と思ってる悪徳業者もいるくらいです。(この程度で悪徳業者とも言えないかもしれませんが。)
繰り返しになりますが、不動産屋さんは無理に訳あり物件を売らなくても、もっとカンタンに売れる優良な中古不動産は山ほどあるのでそちらを優先して仕事をするのが普通です。ビジネスなので効率を重視するのは仕方がないことです。
なので、最初から「訳あり物件を買取します」と言っている業者に声をかけるのが正攻法と言えるわけです。